ハイスペックイケメンなんてお呼びじゃない!~バツイチナースは恋に無関心~
side葉月


そうして座るとお茶とお手伝いさんに預けた芋羊羹が出てきた。


『あら、この羊羹×〇の?』

『はい、今日はその近くの水族館に行っていたので。』

『そうだったのね。それなのにこちらに寄ってもらったりして悪かったわ。本当に急に決めたわね、航平!』


『せっかく良い返事が貰えたからそれならそのままこちらに会いに寄って物事を進めようと思ったんだよ。』


そう言う航平さん。

ほんとそういう所の行動力は凄く早くて私なんかでは太刀打ち出来ないんだよね。
だから、もう出会ってアタック始められた時点でこうなる感じだったんだろうなぁと今更ながら思う。


『まったく、そういう所は恭平さんそっくり。こうと決めたら即行動していくの。』

本当にそうです、お母様。
しかも押しが強いです。
逃げられませんでしたもの。

『あのね…』

【どうした弥生ちゃん】

大人が皆振り返ってちょっとびっくりしたみたいにビクッとした弥生。

『えっと、こうくんが急いで進めるのはきっと少し私の事考えてくれてなの。だからおばあちゃま怒らないで。』


『まぁ、弥生ちゃん。怒ってないわ。ちょっと強引すぎないか葉月さんと弥生ちゃんの事がこれでいいのか心配だっただけよ。』

『ありがとう、おばあちゃま。あのね、こうくんママと結婚したいって私に話してくれて私がいいよって言ったの。
その後でね、ママと早く結婚した方が私にも良いって言ってくれたの。その理由も聞いて私もママも納得したの。』


『そうだったのね、理由聞いてもいいかしら?』


『うん。ママとこうくんが結婚すると私も名字が変わるでしょう?たがら出来れば早くして慣れてから小学校に入れる方が私が困らないからって…』

『なるほど。確かに弥生ちゃんは今の名字でずっと呼ばれてて小学校のタイミングと合わせてだと呼ばれ慣れなくて困っちゃうわね。』


それは私も慣れるまで時間掛かるので、子どもは尚更だよね。

『そう言ってもらって私もハッとしたんです。大人でも結婚で名字変わって呼ばれ慣れるまで時間が掛かりますから。』

『えぇ、そうね。これは女性のがよく分かる問題なのによく気づいたもんだわ。』
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