媚薬と私
「何でもいいですよ♪」
「貝瀬さんは、何が食べたいですか?」
気がついたら、由紀子からメールが来ていた。
夜中の0時半だ。
由紀子の良い所は、僕を立ててくれる所だ。
もう、上司ではないのに、気を使わなくてもいいと思ったが僕は20歳も年上だ。
その辺の常識も、きちんと出来ている。
本当に、いい子だな。
いや、単に考えるのが面倒くさいだけなのではないか?
いい事を考えると、反対にマイナスの事も考えてしまう。
僕の悪い癖だ。
僕は寝床でスマホをいじりながら、■■周辺のお勧めの食事を検索してみた。
キーワードは、初めのうち、「食事」「人気」だけだったが、そのうち
「デート」も追加した。
年甲斐もなく、楽しかった。
隣では、妻が寝息を立てていた。
妻の顔を見て、僕は由紀子と食事をする事を、妻に伝えようと思った。
単に、元職場の部下と、再会するだけなのだ!