媚薬と私

多くの人が混みあっている駅周辺だったが、由紀子にはすぐに会えた。


「お疲れ様です♪」


由紀子は僕に向かって笑顔を見せながら、言った。


僕も同じ言葉を返した。


由紀子は、ブルーのシャツにジーパンといったスタイルだった。


あまり女を意識させない、由紀子らしい恰好だ。


由紀子の服装を見て、僕は何故かホッとした。


由紀子は僕を、男として見ていない為だ。


今回の服装を見て、よく分かった。


僕は気軽な気持ちで、由紀子と飲む事に決めた。


「今日は忙しい中、ありがとね。」


「いいえ、こちらこそ、ありがとうございます。」


目的の居酒屋まで、僕達は他愛の無い会話をした。
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