媚薬と私
店に着くと、一番奥の左端の席に案内された。
男女が二人きりで飲むのには、良い席だ。
二人用のテーブル席だが、大きめに作ってあり、ゆったりできる。
「一杯目はビール」
「あっ、私も・・。」
「お腹すいたでしょう。何食べる?」
僕は由紀子にメニューを見せた。
僕自身、仕事帰りという事もあって、とてもお腹がすいていた。
まずは二人でつつきやすい、サラダとソーセージの盛り合わせに決めた。
「これ頼んでもいいですか?」
由紀子は笑みを浮かべながら、メニュー指した。
海老のアヒージョとパンだった。
「オーケー!美味しそうだね。」
僕は店員を呼んで、飲み物と食べ物を注文した。
注文し終えてから、お互い、あらためて顔を見合わせた。
由紀子と目が合い、何故か二人とも照れた表情になった。