媚薬と私


ビールが運ばれてくる。

「カンパーイ」

冷えたジョッキに入っているビールをグイッと飲む。

うまい!


目の前に由紀子がいるのだから、余計美味しく感じた。


そうえいば、由紀子はよく飲むのだろうか?


仕事場の飲み会では、由紀子は端の席にいた事が多いので、僕はよく知らなかった。


飲み会で由紀子と話す事も無かった。


由紀子は上品にビールを飲んだ。


でも結構飲めるようで、ジョッキに入っていたビールはすぐに無くなった。


料理が運ばれてきた。


由紀子はサラダを小皿に取り分けてくれた。


こういった、ちょっとした所に男は嬉しく思うものだ。


「ありがとう。」


由紀子はニコニコしていた。


「仕事どうですか~」


「今、人がいなくて結構忙しいよ。」


「デイサービスの方もみどりが抜けたから、大変みたいだしね・・。」


「そうなんですか・・・。」


相変わらず、由紀子は聞き上手で、僕は自分の今の仕事場の状況を由紀子に話して言った。


由紀子はそれに対して、よく聞いてくれて、決して否定をせずに、良い言葉を返してくれる。


なんていい子なんだ!


男は単純だな。
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