最後の恋
ど、どうしよう…絶対今の私、顔が真っ赤だ。


顔は上げられなかったから、俯いたまま


「あ…」 ありがとう、ゴメンね。そう言おうとしていた私の体が急に反対側から引っ張られるように引き起こされた。


誰かの手に肩を抱かれる形で………。


「んっとに何やってんだよ、杏奈の鈍臭さはホンット昔っからかわんねぇな。」

「タケ…」


私の肩を抱き起こしてくれたタケの方に思わず顔を向けると、私の顔を見たタケの表情が一瞬固まった。


だけどすぐに「ここに掴まっとけ。」吐き捨てるようにそう言うと、タケの前に少しだけ空いたドア前のスペースに私を押し込んだ。


そして、タケは一ノ瀬君にこう言った。


「一ノ瀬君、ほんとゴメンね。うちの杏奈がいつも迷惑かけてるみたいで。」

「ちょっと…いつも迷惑なんてかけてないから、余計な事言わないでよ。」
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