溺愛御曹司は仮りそめ婚約者
「沙奈、全部忘れて。俺のキスだけ感じて」
「んっ……も、忘れた。もっと、キス」
キスの合間にささやかれる言葉に、理性が壊れる。ここがどこなのかも、仕事中なのも完全に頭から吹き飛んでいた。
ただ、彼を感じたい。彼に触れたくて、たまらない。
「俺の、沙奈。誰にも渡さない」
痛いくらいに私を抱きしめる彼に、私も夢中でしがみつく。
自分の身体も、彼の身体も感じたこともないくらい熱い。その熱に浮かされるように、もっと、もっとと自分から貪欲に彼を求める。
「……まずい。止まらなくなりそうだ」
耳元で熱のこもった息を吐きながら呟かれたその言葉に、彼のキスに溺れていた意識が現実に戻った。
「わ、あの……ごめんなさっ」
正気に戻った途端、自分の行動が恥ずかしくなる。慌てて主任から離れようとするが、それは彼が許さなかった。
「待って、沙奈。あとは、どこ触られた? ここは?」
首筋からボタンを外されたせいで露わになってしまった胸元をなでられてピクンと身体が揺れる。
「さ、触られてない。キスマーク見られて、確かめられただけ。あとは、手首と肩くらい」
「そう。じゃあ、上書きしないと」
チュッと手首にキスをされて、肌を強く吸われた。ペロリと舌で舐められて引き始めていた熱がぶり返す。