溺愛御曹司は仮りそめ婚約者


「あ、動いてる」

ピッタリと密着しているからか、マメ太が動いたのが東吾にも伝わったらしい。

「ふふ。マメ太の話してたから、元気だよって教えてくれたのかも。今日じいちゃんのところでも、お腹破れるんじゃないかってくらい元気で。じいちゃんが子守唄歌ってくれたら大人しくなったの」

教えてもらった子守唄の意味を話しながら、もうひとつじいちゃんが教えてくれたことを思い出した。

「あの……じいちゃんが教えてくれたんだけど、レストランの名前……私のために変えたって本当?」

「ああ。変えたっていうか、決めかねてたから。イタリア語なんだけどね、家族とか恋人に使うみたい。『宝物と思えるような時間を過ごせる場所に』っていう意味も込めてるんだけど。結婚式をした場所だし、結婚指輪にも刻印してあるよ」

「え? そうなの?」

「沙奈は、俺の宝物だから。一生を賭けて大切にするよ。沙奈は、宝物を増やしてくれたしね」

ほら、また好きになった。たまらなくなって、彼の頰に手を伸ばし唇を重ねる。

「珍しい。催促しないとしてくれないのに。沙奈、もう一回キスして」

「ご飯は? 今日は、東吾の好きなきのこの混ぜご飯と豚汁だよ」

照れているのを隠したくて、早口でそう言った私を見て、東吾は目を細める。

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