溺愛御曹司は仮りそめ婚約者
以前より、ずっと柔らかくなったその表情に胸がときめいて、頰が赤くなる。
「それも捨てがたいけど、今はキス。ねえ、沙奈。マメ太が生まれても、キスは俺だけにしてね」
「……なんか、東吾かわいい」
「沙奈のほうがかわいいよ。ほら、いいからキスして。俺の癒しの時間なんだから」
バカップル丸出しの会話をして、照れたように微笑む東吾の頰にキスをしてから、唇を重ねる。
「もっと、まだ足りない」
言われるがままに唇を重ねていると、胸があたたかくなって、それが全身に広がっていく。
これはーー。
「……今、すごく幸せ」
キスの合間に呟かれたその言葉に、東吾も同じ気持ちなんだとうれしくなる。
「うん、私もすごく幸せ」
今感じているこの気持ちを、一生忘れないようにしよう。
きっと、忘れる暇なんてない。この特別なキスを、三六五日、毎日するのだから。
それは、死がふたりを分かつときまで続く、甘い契約のキスーー。

