溺愛御曹司は仮りそめ婚約者
「なんだろう、その間が気になるなぁ。まあ、いいや。じゃあ、お風呂入ってきなよ」
「え!? お、お風呂?」
それって、どういう意味? ま、まさか……経験値ってそういう意味?
変な想像をしてしまって真っ赤になる私に、主任がニヤニヤした顔を向けてくる。
「なにを想像したのかな? 明日も早いから、そろそろ寝る準備をしようっていう意味で変な意味はなかったんだけど。まあ、沙奈がいいなら……」
あ、またからかわれた。それに気づいてキッとその顔を睨むと、えらく楽しそうに笑われる。く、悔しい。
でも、変なことを想像してしまったのは本当だから、それ以上に恥ずかしい。
「よ、よくない!お、お風呂、お借りします!」
勢いよく立ち上がって、バスルームに駆け込んだ私の耳に、桐島主任の笑い声が聞こえてきた。
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先にお風呂を終えた私は、ソファで桐島主任が出てくるのをテレビを見ながら待っている。
さて、素朴な疑問なのですが、私はいったいどこで寝るんでしょう?
このソファ? 大変立派な高そうなソファで、寝心地も良さそうだから全然ここでいいけれど、現在二月。
なにか掛けるものは欲しいところだ。お客さん用の布団とか、あるのかな。
私が自分の寝床の心配をしていると、主任がバスルームから出てきた。いつも綺麗に後ろに流している髪が額に下りていて、いつもと雰囲気が全然違う。