幸せになってもいいですか?


さっきの?と思いながら
考えていると
電車の、と付け足してきた



『同じ電車だったの?』


「はい、紗枝さんが男と仲良さげに話すの、珍しいなぁって思って」



見られてたか…
でも、別にやましいことなんてない


『別に。昔の知り合いよ。たまに会うから助けし話しただけ』


「へぇ、そうなんですか。俺はてっきり紗枝さんの想い人かと思いましたよ」


図星の言葉に
言い返すのをやめた
ここはエレベーター
誰が何を聞いているかわからない
要らぬ噂を立てられるのはごめんだ


久慈くんを無視し
エレベーターを降りフロアへ向かった
…が、急に手首を掴まれ
デットスペースへと引きずり込まれた

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