どんな君でも、愛おしくてたまらない。




教室までの道のりが、やけに長く感じた。



ようやく教室の前に着いた。


扉に手をかけようとした、そのとき。




「あいつ、今日休みかな?」




クラスの男子の刺々しい声が耳に入って、手を止める。



あいつって……わたしのこと?


そんな気がしてならなかった。



「昨日午後いなかったし、そうなんじゃね?」


「いないほうがいいよな」




……やっぱり、わたしのことだった。




耳を塞ぎたくても、恐怖で体が固まって、思うように動かせない。


心臓が、ギシギシ軋む。




「てか、昨日のやばかったよね」


「矢崎さんの腕でしょ?」


「血が出てなかったってやつだよね?ちょー怖っ」



今度は、女子の会話が聞こえてきた。



< 60 / 231 >

この作品をシェア

pagetop