どんな君でも、愛おしくてたまらない。
それにしても……。
『ここ、どこ?』
ぐるりと、周りを見渡してみる。
わたしが横になっているベッドが一つだけある、個室のようだけど。
『ここは病院だよ』
たった今この部屋に入って来た白衣の人が、おばあちゃんとおじいちゃんの代わりに答えた。
『誰……?』
『はじめまして、葉上と申します。四十歳、独身。よろしく、矢崎莉子ちゃん』
どんどんフレンドリーな口調になっていった葉上先生の自己紹介。
よろしくって、どういうこと?
状況に追いつけない中、『はじめまして』だけを返した。
『ちなみに、君の担当医だ』
担当医?
当惑しているわたしに、葉上先生は近寄った。