どんな君でも、愛おしくてたまらない。





『あっ!お母さんとお父さんなら、何があったか覚えてるかもしれません』



付け足して言うと、葉上先生だけでなく、おばあちゃんとおじいちゃんも表情を曇らせた。



みんな、どうしたの?


なんでそんな顔をするの?



『そういえば、』


聞くのが、怖くなった。




『お母さんとお父さんは、どこ?』




空気が張り詰めて、暗くなる。



……まさか。


いや、違う。

違うよね?



みんなが黙り込む意味に、本当は心のどこかで気づいていた。


でも、気づいていないフリをした。



気づきたく、なかった。



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