どんな君でも、愛おしくてたまらない。




わたしはまだ、頑張り方を知らない。


だけど、知らないなりに、精一杯頑張りたい。



そう思えたのは、この勇気をくれた、環くんのおかげだよ。




「わたし、学校に戻ろうと思う」



唐突にそう言っても、環くんは「そっか」と平然としていた。



「怖くない?」


「……正直、ものすごく怖い」



今も、わたしの中には大きな不安がうごめいてる。



覚悟なんて大層なもの、持ち合わせていない。


恐怖心とちっぽけな勇気しか、わたしにはないのかもしれない。



「それでも、前に進もうって決めたの」




逃げ出した今の時間を、無駄にしたくない。


途中何度も立ち止まりながら一歩ずつ進んで、わたしだけの頑張り方を探していきたい。



そうやって、今日流した涙を、これからの希望につなげていく。




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