どんな君でも、愛おしくてたまらない。
「じゃあ、戻ろうか」
「うん」
そのとき、ようやく
お母さんとお父さんの死と、自分の左腕を
しっかり受け入れられた気がした。
なんとなく見上げた空は、雲一つない、晴天だった。
校舎前に着いた。
ちょうどよくチャイムが鳴る。
おそらく昼休みだ。
「俺も一緒に教室行こうか?」
「ううん、一人で行くよ」
環くんに甘えてばかりいられない。
一人で立ち向かうことに、意味があると思うから。
ちゃんと、自分の足で進まなくちゃ。