溺愛執事に花嫁教育をされてしまいそうです
(……なんか、印象的な人だったな……)
じわりと熱っぽい頬を冷たい夜風が撫でていく。
生地の薄いワンピース姿のありすは、
その夜風か、先ほどの一件にか、体を震わせた。
(って……さっきのスーツ姿の人、
橘さんじゃなかったのかな)
視線の向こうに消えたスーツ姿を探して、
ありすは視線を暗い邸内に漂わせる。
その瞬間、庭の向こう側に微かな灯りと、
ダークスーツの背中を見つけて、
ありすは咄嗟に駆け出していた。
「橘さんっ」
スーツの背中に駆け寄りながら、
そう声を掛けると、
「……?」
ダークスーツ姿の男性が、
ゆっくりと振り向く。
「……久遠寺のお嬢様が、なんでこんなところに?」
振り向いた男性は、橘ではなくて、
ありすは、知らない男性に自分から声を
掛けてしまった事実に驚き、目を見開く。
目の前に立つ長身の男性は、はっきりとした顔立ちに、
意思の強そうな瞳をしている。
ありすの姿を確認すると、咥えていた煙草をはずし
手に持っていた携帯灰皿で、煙草を押し消した。
「あの……ごめんなさい。人間違いだったみたいです」
ありすが慌ててその場を立ち去ろうとすると、
ふわりとさりげない動きで、男性に手を掴まれてしまう。
「あっ……あの。……困ります」
いきなり男性に手を掴まれて、
じわりと熱がこみ上げる。
「せっかく今日の主役を
独り占めできる絶好の機会だ。
もう少しここで話でもしませんか?」
穏やかそうに言いながらも、
男はありすの手を離そうとしなかった。
なんて失礼な人だろうと思って、
ありすは手を掴んでいる男性の事を睨む。
じわりと熱っぽい頬を冷たい夜風が撫でていく。
生地の薄いワンピース姿のありすは、
その夜風か、先ほどの一件にか、体を震わせた。
(って……さっきのスーツ姿の人、
橘さんじゃなかったのかな)
視線の向こうに消えたスーツ姿を探して、
ありすは視線を暗い邸内に漂わせる。
その瞬間、庭の向こう側に微かな灯りと、
ダークスーツの背中を見つけて、
ありすは咄嗟に駆け出していた。
「橘さんっ」
スーツの背中に駆け寄りながら、
そう声を掛けると、
「……?」
ダークスーツ姿の男性が、
ゆっくりと振り向く。
「……久遠寺のお嬢様が、なんでこんなところに?」
振り向いた男性は、橘ではなくて、
ありすは、知らない男性に自分から声を
掛けてしまった事実に驚き、目を見開く。
目の前に立つ長身の男性は、はっきりとした顔立ちに、
意思の強そうな瞳をしている。
ありすの姿を確認すると、咥えていた煙草をはずし
手に持っていた携帯灰皿で、煙草を押し消した。
「あの……ごめんなさい。人間違いだったみたいです」
ありすが慌ててその場を立ち去ろうとすると、
ふわりとさりげない動きで、男性に手を掴まれてしまう。
「あっ……あの。……困ります」
いきなり男性に手を掴まれて、
じわりと熱がこみ上げる。
「せっかく今日の主役を
独り占めできる絶好の機会だ。
もう少しここで話でもしませんか?」
穏やかそうに言いながらも、
男はありすの手を離そうとしなかった。
なんて失礼な人だろうと思って、
ありすは手を掴んでいる男性の事を睨む。