溺愛執事に花嫁教育をされてしまいそうです
「……貴方はどなたですか?」
「……俺の名前を聞いて、何の意味が?」
面白そうに聞き返されて、ありすは
予想外の返答ばかり聞くことになり、
徐々に怒りと戸惑いが、落ち着かないような
不安な気持ちに変化するのを感じながら答えた。
「何の意味って……
貴方の名前を憶えておくためです」
ありすの言葉にふっと男性は瞳を細めた。
「……なるほど。確かに覚えておいて貰うには、
名前が必要か……。
俺は瀬名 俊輔(せな しゅんすけ)。
サイバーアーツの代表取締役をしている。
他に何かご質問は?」
くすりと笑う表情がありすにとっては
どこか傲慢で偉そうに見えて、
あまり印象が良くなくて、思わず眉を顰める。
サイバーアーツと言えば、
確か、大学時代に
何とか言う社長が立ち上げたIT関連の企業ではなかったか。
ありすはそんな事を思い出して、
目の前の人物が、その何とか社長だったのか、と思う。
「……久遠寺ありすです。質問は特にないです。
貴方の名前は覚えておきます。
……それで、今後は近づかないようにします」
例え多少有名な人物だったとしても、
なんとなく態度が横柄で失礼だ、とそう思い、
ありすは握りしめられた手を振り払って、
その場を立ち去ろうとした。
だが男は逆にありすの手を強くつかみ直し、
自分の方に引き寄せると、
ありすの華奢な体はあっさりと、
瀬名と名乗る男に抱き寄せられてしまった。
「なっ……」
何をするんですか、と文句を言おうとした
ありすの唇をするりと、瀬名の人差し指が撫でる。
「──っ」
いきなりされた艶めいた仕草に、
ありすは言葉を失ってしまった。
「……可愛らしい顔をしておきながら、
随分と生意気な事を言う人だ。
なんだったら、そんなことを言えないように、
口を塞いでやろうか?」
顔を寄せられて、艶めいた瞳を細められて、
その男性にしては繊細な指で、再び唇を撫でられて、
妙に男性を意識させられてしまって、
ありすはその感触に身を震わす。
「やっ……やめてください」
咄嗟に相手の胸元に手をついて、
距離を取ろうとすると、
ふっと笑って、男はありすを解放した。
身を離す直前に、
ふわりと香るのは煙草の匂いだ。
「……俺の名前を聞いて、何の意味が?」
面白そうに聞き返されて、ありすは
予想外の返答ばかり聞くことになり、
徐々に怒りと戸惑いが、落ち着かないような
不安な気持ちに変化するのを感じながら答えた。
「何の意味って……
貴方の名前を憶えておくためです」
ありすの言葉にふっと男性は瞳を細めた。
「……なるほど。確かに覚えておいて貰うには、
名前が必要か……。
俺は瀬名 俊輔(せな しゅんすけ)。
サイバーアーツの代表取締役をしている。
他に何かご質問は?」
くすりと笑う表情がありすにとっては
どこか傲慢で偉そうに見えて、
あまり印象が良くなくて、思わず眉を顰める。
サイバーアーツと言えば、
確か、大学時代に
何とか言う社長が立ち上げたIT関連の企業ではなかったか。
ありすはそんな事を思い出して、
目の前の人物が、その何とか社長だったのか、と思う。
「……久遠寺ありすです。質問は特にないです。
貴方の名前は覚えておきます。
……それで、今後は近づかないようにします」
例え多少有名な人物だったとしても、
なんとなく態度が横柄で失礼だ、とそう思い、
ありすは握りしめられた手を振り払って、
その場を立ち去ろうとした。
だが男は逆にありすの手を強くつかみ直し、
自分の方に引き寄せると、
ありすの華奢な体はあっさりと、
瀬名と名乗る男に抱き寄せられてしまった。
「なっ……」
何をするんですか、と文句を言おうとした
ありすの唇をするりと、瀬名の人差し指が撫でる。
「──っ」
いきなりされた艶めいた仕草に、
ありすは言葉を失ってしまった。
「……可愛らしい顔をしておきながら、
随分と生意気な事を言う人だ。
なんだったら、そんなことを言えないように、
口を塞いでやろうか?」
顔を寄せられて、艶めいた瞳を細められて、
その男性にしては繊細な指で、再び唇を撫でられて、
妙に男性を意識させられてしまって、
ありすはその感触に身を震わす。
「やっ……やめてください」
咄嗟に相手の胸元に手をついて、
距離を取ろうとすると、
ふっと笑って、男はありすを解放した。
身を離す直前に、
ふわりと香るのは煙草の匂いだ。