モテ男の桐谷くんと地獄の罰ゲーム
「敬語も禁止。それに"桑野さん"も禁止。名前で呼んでくれなきゃイヤだから!」
そんな子どもっぽい事を言われるなんて
思っておらず、ついつい笑ってしまった。
雪……「さん」でもないし、雪「ちゃん」なんて更に違うし……雪「様」? いや、それもなんだか………
一人でモンモンと考えていると、
「雪で良いよ」
『洸平もそう呼ぶし!』と、またキュンとするスマイルで微笑みかけてくれた。
………雪くん私を殺す気だ。
しかもドサクサに紛れて
心の中で『雪くん』って呼んじゃった……
呼び名を再確認するように、
「ゆ、雪くん??」
と、試しに名前を呼んでみると『雪で良いのにー!!』また可愛らしい笑顔で私を胸キュンさせてきた。
「あの、雪くんはバスケしに行かないの?」
「んーちょっと疲れたし。私も桃花ちゃんと見てようかな~。良いかな??」
まるで王子様のようなスマイルで聞いてくる雪くん。
――っ!!!!
やっぱりカッコいい!!!!