もう一度、あなたに恋していいですか
「どうだった?」

私が保健室をあとにするのを待っていた昴が、心配そうな面もちで駆け寄ってくる。

「…」

私はなにも言わずに、昴から顔を背ける。

「おい寧々」

「…やっぱり先生と美々、できてるのかも」

私はうつむきながら、重い雰囲気のなかそう告げる。

「うそ…だろ」

「わからないけれど、ふたりとても良い雰囲気で…できててもおかしくないくらいだった。美々もうっとりした表情をしてて…」

昴は私の言葉を聞くとその場に崩れ落ちて、顔を伏せる。

「だから明日の放課後、美々に問いつめてみましょう?私も一緒についていくから。西條先生なんてやめたほうがいいって忠告した方がいいわ。手を出されてからじゃ遅いんだから」

「そうだな。美々のやつ可愛いから、西條が手を出してからじゃ遅いよな。明日問いつめるよ」

「そうね」

ごめんなさい西條先生。
悪者にして。
でもここまで来たら、もう最後まで突き進むわ。

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