もう一度、あなたに恋していいですか
「…好きなのか」

「え?」

「西條のこと好きなのか」

昴、核心をせめてきたわ。
今まで奥手だったのが嘘のように。

「何言ってるの。そんなわけないじゃん」

「そんなわけないなら、何で頻繁に保健室に行くんだよ」

「それは…」

「言えないのか」

「…」

「言えないようなことしてるのか」

「そんなことない」

「じゃあ何してるんだよ」

「それは…」

「ほら、言えないじゃん」

嫉妬してるのはわかるけど、ちょっときつく言い過ぎよ。
このままじゃ美々泣いちゃうんじゃ…

「私が西條先生と何をしようが…そんなの、昴に関係ないじゃん!」

ああ…美々が泣きそうじゃん。
もう昴、言い方があるでしょうに。

「ずっとずっと、寧々ちゃんが羨ましかった。毎朝昴の寝癖をなおすのも、私が代わりたいっていつも思ってた。昴は…寧々ちゃんだけ見てればいいんだよ。この言葉の意味、昴にはわからないでしょう?」

「……美…」

昴の言葉も聞かず、美々は教室を飛び出した。

美々、それ告白と同じよ。
もう少し…もう少しで私の相談相手という”役”は終わる。
嬉しいような苦しいような、やっとかという気持ちと終わってしまうという虚無感。

私はそのあと様々な感情に支配された。
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