もう一度、あなたに恋していいですか
一部始終を見届けたそのあと保健室へ向かうと、美々の姿はなかった。

予想では保健室に駆け込むと思っていたのに、外れたようだ。
明日はたぶん来るのでよろしくお願いします、と先生に頼んで私は昴のいる教室へ向かった。


委員会終わりのふりをして昴と合流すると、昴は脱け殻のようにぼーっとしていた。

昴を慰めながら家に帰ると、美々は自分の部屋に込もって出てこなかった。
扉の前を通るとかすかにすすり泣く声が聞こえた。


私は美々に干渉せず、その日はそのまま一日を終えた。



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