もう一度、あなたに恋していいですか
「寧々ちゃん。今日は先に学校行くね」
次の日の朝、洗面台で鏡を見ながら髪をととのえる私に美々はそう告げる。
「え、何で?」
まさか朝から保健室に行くのかしら。
「…今日日直なの」
絶対嘘よね。
西條先生のところよね。
ああもう、泣き腫らした目をして。
騙しているみたいで見ているだけで辛くなるわ。
美々、本当にごめんね。
「ああ、そうなの。わかったわ。今日は昴とふたりで登校するわね」
美々が家を出たらすぐに昴に連絡しなきゃ。
「…うん、ごめんね」
美々は暗い表情で玄関の方へ向かう。
昨日実行しようとしていた作戦をやっと実行するときがきた。
西條先生、上手くやってくれるかしら。
私も急がなくちゃ。
私は美々が出ていったのを確認してから、スクールバッグを手に取り、玄関へ向かった。