もう一度、あなたに恋していいですか
「美味しそう」

オムライスに目を輝かせる私を見て、彼がぷっと吹き出す。

「本当に美味しいものに目がないな。そういうところ可愛い」

「なっ…」

圭介さんの”可愛い”の言葉の破壊力。
また顔が赤くなってしまった。

「冷めないうちに食べようか。いただきます」

「いただきます」

圭介さんはご飯を食べるとき、ほとんど話さない。
食べることに集中したいかららしい。
でもこの沈黙も嫌いじゃない。
静かに目の前で圭介さんを眺められる時間だから。

きっと圭介さんも気づいてる。
私がちらちらと見つめていることを。
でもなにも言わない。
そんなところも好き。

「そういえば、この店はハンバーグが人気らしいよ」

食べ終わると、彼は満足そうに私を見つめて言う。

「そうなんですね。なのにハンバーグにしなかったんですね」

「そうだね。だって今日の夜ご飯はハンバーグだから…ね?」

ああ。
ほんとずるい人。
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