もう一度、あなたに恋していいですか
彼は”今日は絶対に19時に私の家へ行く”と約束をした。
そして”支払いはしておくよ”と言って、私を先にオフィスへ戻らせた。

今日は期待していいんだよね?

昨日のことがあるだけに、また断られるんじゃないかと不安になる。
まだ彼の子供の体調も万全じゃないだろうし、奥さんに早く帰ってって言われたら帰ってしまうんじゃないか。
私はキッチンでハンバーグを形作りながら、そんな連絡がこないか携帯を何度ものぞく。

18時42分。
彼からはまだ何の連絡もない。
今日は大丈夫…かな?

そう思った瞬間携帯が震え、画面にメッセージが表示される。
案の定彼だった。

”いきなり大雨が降ってきて、傘がないから迎えに来てほしいんだけど大丈夫?”

嘘、雨降ってきたの?

私は窓の方へ駆け寄りカーテンを開けると、空は暗く厚い雲に覆われ大粒の雨が地面をはねている。
通り雨みたいだけど、これじゃあ走っては来れないよね。

私は携帯を開き彼に返信をして、傘を手に取り部屋を後にした。
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