もう一度、あなたに恋していいですか
冷蔵庫、本当に何もないな…
スーパーマーケットから帰った私は、冷蔵庫を開くと中には缶ビールが5本のみ。
普段は外食ばかりなのだろうか。
彼女に作ってもらったりしないのかな。
「台所借りますよー…」
起こさないほどの声をかけてから台所でお粥をつくり、起きたらあたためて食べられるようにラップをかける。
かなり熱が高そうね。
眠る三枝さんの顔は苦しそうで額には大量の汗。
今までじっくり見たことなかったけど、三枝さんって結構顔整ってるかも。
今まで顔も見たくないほど嫌だったため、ちゃんと見たのは初めてだった。
「…普通にしてればかっこいいのに」
そう心のなかでつぶやいたつもりだった。
「悪かったな…しつこくて」
まさかの返事に私は肩をびくっとさせる。
心を読まれたのかと思うほど驚いてしまった。
「三枝さん、起きたんですね」
いつから起きていたのだろう。
さっきの聞かれていただなんて。
「ごめん、なさい…松岡さん、仕事は?」
「放っておけないので、今日は休みました。有給たまってたんで大丈夫です」
「…本当に、ごめんなさい」
ぜいぜいと荒い息をはきながら、三枝さんは額の汗を拭う。
「一応お粥作りましたが、食べれそうなら食べてください。彼女さんとかいるなら、バトンタッチしますので連絡してください」