日常に、ほんの少しの恋を添えて
「悪い……溜めるつもりじゃなかったんだけど、昨晩どうにも調子が悪くて、洗濯できなかったんだ。長谷川が嫌でなければ洗濯してもらえると助かる」
「嫌なんかじゃないですよ。じゃ、やっておきますね」
「ああ、頼む」
専務はパソコンを閉じ、ベッド脇のテーブルに置いた。そして私が持ってきたおかゆの入った鍋を乗せたトレーを膝の上に置いた。
「家で自分以外の人間が作った料理を食べるのは久しぶりだな」
そう言って専務は頬を緩ませ、私が作ったおかゆをゆっくりと口に運ぶ。
「最後に食べたのは昔の彼女の手料理ですか?」
「いや、相当昔。兄貴が作ってくれたのが最後かな。うちは両親とも忙しかったから、兄貴が俺の面倒見てくれたんだよ」
え、そうなんだ。意外。
「専務のお家、お手伝いさんとかいなかったんですか?」
「俺が子供のころはいたけどな。ある程度大きくなってからは特に人は雇ってなかったな」
「そ、そうだったんですね……昔の彼女は料理作ってくれなかったんですか?」
「……お前、この間小動から何か聞いたんだろう」
「嫌なんかじゃないですよ。じゃ、やっておきますね」
「ああ、頼む」
専務はパソコンを閉じ、ベッド脇のテーブルに置いた。そして私が持ってきたおかゆの入った鍋を乗せたトレーを膝の上に置いた。
「家で自分以外の人間が作った料理を食べるのは久しぶりだな」
そう言って専務は頬を緩ませ、私が作ったおかゆをゆっくりと口に運ぶ。
「最後に食べたのは昔の彼女の手料理ですか?」
「いや、相当昔。兄貴が作ってくれたのが最後かな。うちは両親とも忙しかったから、兄貴が俺の面倒見てくれたんだよ」
え、そうなんだ。意外。
「専務のお家、お手伝いさんとかいなかったんですか?」
「俺が子供のころはいたけどな。ある程度大きくなってからは特に人は雇ってなかったな」
「そ、そうだったんですね……昔の彼女は料理作ってくれなかったんですか?」
「……お前、この間小動から何か聞いたんだろう」