日常に、ほんの少しの恋を添えて
ホテルについて会食会場の和食処に向かう私と河出専務が、先に到着して待つこと数分。和食処の個室の襖が静かに開き藤久良副社長が姿を現した。挨拶をかわし、席に着いた藤久良副社長が私を見てにこりと笑う。
ああ、あの時湊さんの部屋で見たあの方だ。湊さんとよく似た優しい笑顔が、なんだか懐かしく思えてしまう。
「藤久良副社長、お久しぶりです。覚えていらっしゃいますか、以前……」
「うん。よく覚えてるよ、長谷川志緒さん。元気そうで何より。それに……綺麗になったね」
「あ……りがとうございます、恐縮です」
覚えててくれたのは嬉しいけど、湊さんのお兄さんってこんなキャラだったっけ?
と、ちょっとたじろぐ。
すると藤久良副社長が、長谷川さん、と私の方に体を向けた。
「悪いんだけど河出専務と二人で話したいことがあるので、外で待っていてもらえるかな? そのついでと言ってはなんだが、良ければうちの付き人と一緒に食事をしてきてもらえないだろうか? そいつはこの店の外で待ってるので」
「食事、ですか」
なんでお付きの方と食事? と疑問に思ったけど、ただぼけーっと待ってるのもなんだかなって感じだし、いいか。
「かしこまりました、ではそうさせていただきます」
ああ、あの時湊さんの部屋で見たあの方だ。湊さんとよく似た優しい笑顔が、なんだか懐かしく思えてしまう。
「藤久良副社長、お久しぶりです。覚えていらっしゃいますか、以前……」
「うん。よく覚えてるよ、長谷川志緒さん。元気そうで何より。それに……綺麗になったね」
「あ……りがとうございます、恐縮です」
覚えててくれたのは嬉しいけど、湊さんのお兄さんってこんなキャラだったっけ?
と、ちょっとたじろぐ。
すると藤久良副社長が、長谷川さん、と私の方に体を向けた。
「悪いんだけど河出専務と二人で話したいことがあるので、外で待っていてもらえるかな? そのついでと言ってはなんだが、良ければうちの付き人と一緒に食事をしてきてもらえないだろうか? そいつはこの店の外で待ってるので」
「食事、ですか」
なんでお付きの方と食事? と疑問に思ったけど、ただぼけーっと待ってるのもなんだかなって感じだし、いいか。
「かしこまりました、ではそうさせていただきます」