日常に、ほんの少しの恋を添えて
それを専務におずおず差し出すと、彼は驚いたようにそれを凝視する。
「え、何……」
「いやあの、先日専務にすごくご迷惑をかけてしまったので、ずっとお礼をと思っていたんです。なんですけどなんか、タイミングを逃してしまってこんなに遅くなってしまって……しかも会社じゃなくて偶然会ったこの場でって、なんともお恥ずかしい……本当に、あの晩はありがとうございました」
黙って私の話を聞いていた専務が、私の手からプレゼントの包みをスッと引き抜いた。
「これ、何?」
専務が興味深そうに、私があげたプレゼントの包みを眺めている。
「全然大したものではないんです。……ボールペンです。ちょっと書きやすそうな」
「そうか……ありがとう」
ちょっと照れたように、専務が私を見て微笑む。そして手に持っていた包みをすでに持っていた紙袋に忍ばせる。
「いえ。本当に安いものなので、あの夜私がやらかした醜態がこれでチャラになるとは思っていませんけど、少しでも感謝の意を伝えたくてですね……」
「俺、長谷川に嫌われてるんだとばかり」
「え?」
今なんて? と聞き返すように私が専務の顔を見つめると、彼は後頭部に手を当て苦笑いする。
「いや、だってそう思うだろ。身に覚えもないのに相性最悪とか言われたら。寝言とはいえ少しでも思ってなけりゃそんなこと言わないと思うし」
「……あ、えっと……」
あっ、またあの「相性最悪」の話が……と思うと気分が下がる。
「え、何……」
「いやあの、先日専務にすごくご迷惑をかけてしまったので、ずっとお礼をと思っていたんです。なんですけどなんか、タイミングを逃してしまってこんなに遅くなってしまって……しかも会社じゃなくて偶然会ったこの場でって、なんともお恥ずかしい……本当に、あの晩はありがとうございました」
黙って私の話を聞いていた専務が、私の手からプレゼントの包みをスッと引き抜いた。
「これ、何?」
専務が興味深そうに、私があげたプレゼントの包みを眺めている。
「全然大したものではないんです。……ボールペンです。ちょっと書きやすそうな」
「そうか……ありがとう」
ちょっと照れたように、専務が私を見て微笑む。そして手に持っていた包みをすでに持っていた紙袋に忍ばせる。
「いえ。本当に安いものなので、あの夜私がやらかした醜態がこれでチャラになるとは思っていませんけど、少しでも感謝の意を伝えたくてですね……」
「俺、長谷川に嫌われてるんだとばかり」
「え?」
今なんて? と聞き返すように私が専務の顔を見つめると、彼は後頭部に手を当て苦笑いする。
「いや、だってそう思うだろ。身に覚えもないのに相性最悪とか言われたら。寝言とはいえ少しでも思ってなけりゃそんなこと言わないと思うし」
「……あ、えっと……」
あっ、またあの「相性最悪」の話が……と思うと気分が下がる。