日常に、ほんの少しの恋を添えて
私が見ていたお店の店頭に並ぶお弁当のサンプルをじっと見つめる専務。
「ここは松花堂弁当が人気なんです。いろんなものを食べれるので女性が好むらしいです。男性だったら、こっちの焼肉弁当とか人気みたいですよ」
「へえ~……」
「お弁当買ったりしませんか?」
「弁当買いに行くんだったら外食するかな」
なるほど。それもそうか。
ここでよし、と何かを決意した専務が店員さんに声をかけた。
「じゃあこの松花堂弁当二つください」
「ありがとうございまーす!」
二つ、と聞いてすげえ食べるのね、専務。と慄く私。
だけどそれは私の誤解だった。店員さんから受け取った袋を私にズイ、と専務が差し出した。
「一つはお前の。もってけ」
「ええっ!? ほ、本当に? お金……」
慌ててバッグから財布を取りだそうとする私を、専務が「いいって!」と言って制する。
「俺も食べてみたいし、ついでだから」
「つ、ついでって、そんな……」
大股でフロアを歩き出した専務に必死でついていこうとして、小走りになる私。
お昼も奢ってもらっちゃったし、なんだか申し訳ないんだけど……
でも、これって専務なりに私に気を遣ってくれてのことなのかな。
そう思ったらいきなり胸がかあっと熱くなった。
「ここは松花堂弁当が人気なんです。いろんなものを食べれるので女性が好むらしいです。男性だったら、こっちの焼肉弁当とか人気みたいですよ」
「へえ~……」
「お弁当買ったりしませんか?」
「弁当買いに行くんだったら外食するかな」
なるほど。それもそうか。
ここでよし、と何かを決意した専務が店員さんに声をかけた。
「じゃあこの松花堂弁当二つください」
「ありがとうございまーす!」
二つ、と聞いてすげえ食べるのね、専務。と慄く私。
だけどそれは私の誤解だった。店員さんから受け取った袋を私にズイ、と専務が差し出した。
「一つはお前の。もってけ」
「ええっ!? ほ、本当に? お金……」
慌ててバッグから財布を取りだそうとする私を、専務が「いいって!」と言って制する。
「俺も食べてみたいし、ついでだから」
「つ、ついでって、そんな……」
大股でフロアを歩き出した専務に必死でついていこうとして、小走りになる私。
お昼も奢ってもらっちゃったし、なんだか申し訳ないんだけど……
でも、これって専務なりに私に気を遣ってくれてのことなのかな。
そう思ったらいきなり胸がかあっと熱くなった。