意地悪な両思い
「さてと、じゃぁまず市田さんには、
とりあえず昼便きた荷物の確認をして頂いて……」
「はい。」
「で、みんなに配っていって頂けると助かります。
あとは出してもらいたい資料があるのと、倉庫から同じく出しとってもらいたいものもあって……。」
「はい。」
これは思ったよりも大変そうだぞ。
「まぁ主に宮崎っていう娘がする仕事なんですけど、彼女もいろんな人の手伝いでいっぱいいっぱいになっちゃってて仕事が進んでなくて。
だから一緒にしてもらったら。
一人じゃ絶対分からないと思うし。」
雨宮さんは大丈夫、そう言って安心させるように微笑む。
「宮崎ー!市田さんお願いね。」
ひょっこり廊下に顔だけを出し、声をあげて彼女を呼ぶ。
「あとは彼女がしてっていうこと、手伝って貰ったら大丈夫ですから。」
お願いしますと雨宮さんはまた頭を下げた。
「ごめんね、
僕がついてあげるのが一番いいんですけど。」
「いえ。それじゃお手伝いの意味がなくなっちゃいますんで。」
ありがとうございますと私は微笑む。
「では。」
私は部屋を後にして、宮崎さんと思われる娘に駆け寄っていった。