おはようからおやすみまで蕩けさせて
「朝は止めておこうよ。今夜ならいいから」
ぐっと腕を押して体を引き離そうとすると、彼はそんな私に擦り寄り、「今夜は歓送迎会があるから遅くなる」と恨めしそうに呟く。
「だったら明日!明日シよう。ねっ?」
今日は、完全に私の専業主婦出発の日でもあるんだから止めて。
まだ完璧でもないけど、朝から頑張って作った朝食を食べて欲しい。
「お願い」
上目遣いに小首を傾げて願うのは、一年前も今も彼が一番弱いと思ってること。
だから、唯一甘える手段として、ここぞという時にだけ使ってる。
「……仕様がない。今日だけ我慢する…」
恨めしそうに見てる。
あのねぇ、何だか子供みたいに見えるんですけど?
「良かった。じゃあ顔洗ってきて。コーヒー淹れておくから」
離れ難そうに胸をぎゅっと掴んでから服の外に手を出した。一年経ってもこの溺愛ぶりにクラクラされるのは変わってない。
洗面所に向かう彼の背中を確かめて、リビングの窓辺に視線を送る。
赤いチェックのテーブルクロスの上に敷いた紺色の無地のランチョンマット。
白いサラダボールはセンターに乗せ、クロワッサンにはスクランブルエッグとハムとレタスをサンドした。
サラダは旬のスナップエンドウを茹でて、新玉ねぎと和えたシンプルな物。
ぐっと腕を押して体を引き離そうとすると、彼はそんな私に擦り寄り、「今夜は歓送迎会があるから遅くなる」と恨めしそうに呟く。
「だったら明日!明日シよう。ねっ?」
今日は、完全に私の専業主婦出発の日でもあるんだから止めて。
まだ完璧でもないけど、朝から頑張って作った朝食を食べて欲しい。
「お願い」
上目遣いに小首を傾げて願うのは、一年前も今も彼が一番弱いと思ってること。
だから、唯一甘える手段として、ここぞという時にだけ使ってる。
「……仕様がない。今日だけ我慢する…」
恨めしそうに見てる。
あのねぇ、何だか子供みたいに見えるんですけど?
「良かった。じゃあ顔洗ってきて。コーヒー淹れておくから」
離れ難そうに胸をぎゅっと掴んでから服の外に手を出した。一年経ってもこの溺愛ぶりにクラクラされるのは変わってない。
洗面所に向かう彼の背中を確かめて、リビングの窓辺に視線を送る。
赤いチェックのテーブルクロスの上に敷いた紺色の無地のランチョンマット。
白いサラダボールはセンターに乗せ、クロワッサンにはスクランブルエッグとハムとレタスをサンドした。
サラダは旬のスナップエンドウを茹でて、新玉ねぎと和えたシンプルな物。