おはようからおやすみまで蕩けさせて
後輩バイヤーの津田ちゃんが退職祝いに…とくれたバカラの一輪挿しに挿しているのは、ラベンダーカラーのスィートピーと濃いピンクのカーネーション。
春らしいパステルカラーで纏めて華やかなテーブルコーディネートに仕上がってる。
「おっ。今朝は豪華な感じ」
顔を洗ってきた彼がいつものように斜向かいに座り顔を綻ばせる。去年行った温泉街で買った深緑色のマグカップにコーヒーを注いで手渡すと…。
「うん、いい香りだ。……だいぶ上達したな。結実」
香りを嗅いでからゴクンと味わいながら頷く。
「いきなり邪魔されなかったらもっと上手に淹れたのに」
負け惜しみのように返しながらクロワッサンをパクつく。食べながら明日の朝は和食にしてみようと考えた。
「今夜は何時頃に帰れそう?」
サラダを食べながら目線を向けると、新聞に目を通してた彼が「う~ん」…と宙に目を向けて。
「歓送迎会が始まるのが十九時だと言ってたから遅くても二十二時には帰りたいんだけど」
「でも、それも二次会があったらムリだよね」
「二次会は遠慮して帰るよ。明日も仕事はあるし、皆もそれくらい分かってるだろうから」
「いいの?課長さんが先に帰っても」
「俺よりも先に部長の榊原さんが撤収しろって言うさ」
春らしいパステルカラーで纏めて華やかなテーブルコーディネートに仕上がってる。
「おっ。今朝は豪華な感じ」
顔を洗ってきた彼がいつものように斜向かいに座り顔を綻ばせる。去年行った温泉街で買った深緑色のマグカップにコーヒーを注いで手渡すと…。
「うん、いい香りだ。……だいぶ上達したな。結実」
香りを嗅いでからゴクンと味わいながら頷く。
「いきなり邪魔されなかったらもっと上手に淹れたのに」
負け惜しみのように返しながらクロワッサンをパクつく。食べながら明日の朝は和食にしてみようと考えた。
「今夜は何時頃に帰れそう?」
サラダを食べながら目線を向けると、新聞に目を通してた彼が「う~ん」…と宙に目を向けて。
「歓送迎会が始まるのが十九時だと言ってたから遅くても二十二時には帰りたいんだけど」
「でも、それも二次会があったらムリだよね」
「二次会は遠慮して帰るよ。明日も仕事はあるし、皆もそれくらい分かってるだろうから」
「いいの?課長さんが先に帰っても」
「俺よりも先に部長の榊原さんが撤収しろって言うさ」