おはようからおやすみまで蕩けさせて
一日一日を大切にして生きて、末長く一緒に居れさえすればいいと思うだけなのに……。
「私、仕事続けたいとか言った?」
バイヤーの仕事は確かに面白くてやり甲斐もある。
緊張も半端ないけど、世の中に出回る商品を作り上げていくのは楽しい。
でも、それは結婚生活に比べれば大した事じゃない。彼との暮らし以上に大切なものなんてない。
「続けたいとは言ってないけど、辞めたいとも思わないだろ?それに結実は言ってたじゃないか。明かりの点いた家に帰りたい…って」
「それは…」
子供の頃に願ってただけのことーー
「その願いを叶えてやりたいんだよ。だから役職も降ろさせてくれるように頼んだし、比較的早く帰れる部署への転換を希望した。
人事部長の榊原さんには驚かれたけど、是非に…と願う俺の気持ちを汲んでくれた結果なんだ」
だからそれを覆しには行かなくてもいいと止める。だけど、私にはそれが納得できない。
(そんな酔った席で話した言葉を真に受けるなんてどうかしてる!)
「…あの……」
それを口に出しそうになって慌てて喉の奥に引っ込めた。
今の勢いでそれは酔った上での戯言だと話せば、彼のことを「大好きです…」 と言った言葉もウソになってしまう。
あの時、確かに私は気持ちよく酔っていた。
気分的にも大らかで、今なら何を言っても許される様な気がした。
「私、仕事続けたいとか言った?」
バイヤーの仕事は確かに面白くてやり甲斐もある。
緊張も半端ないけど、世の中に出回る商品を作り上げていくのは楽しい。
でも、それは結婚生活に比べれば大した事じゃない。彼との暮らし以上に大切なものなんてない。
「続けたいとは言ってないけど、辞めたいとも思わないだろ?それに結実は言ってたじゃないか。明かりの点いた家に帰りたい…って」
「それは…」
子供の頃に願ってただけのことーー
「その願いを叶えてやりたいんだよ。だから役職も降ろさせてくれるように頼んだし、比較的早く帰れる部署への転換を希望した。
人事部長の榊原さんには驚かれたけど、是非に…と願う俺の気持ちを汲んでくれた結果なんだ」
だからそれを覆しには行かなくてもいいと止める。だけど、私にはそれが納得できない。
(そんな酔った席で話した言葉を真に受けるなんてどうかしてる!)
「…あの……」
それを口に出しそうになって慌てて喉の奥に引っ込めた。
今の勢いでそれは酔った上での戯言だと話せば、彼のことを「大好きです…」 と言った言葉もウソになってしまう。
あの時、確かに私は気持ちよく酔っていた。
気分的にも大らかで、今なら何を言っても許される様な気がした。