隣の席の瀧くん
「杏とか和とかと騒いでるのかなり楽しいんだよね」
あたしと杏がはしゃいでだいたいそれに和がツッコんだり、
あたしと和がギャーギャー言って杏がツッコんだりと。
ハハ、あたしだけツッコまれてばっかだ。
「楽しそうですね」
「うんっ」
そんな話しをしていたらあっという間に家についてしまった。
早かったなぁ。
「瀧くん本当にありがとう」
「だからいいですよ。
あとこれ…よかったらどうぞ」
「くれるの?」
あたしの手に渡された先ほどのチョコレート。
「沢山あるし、
一ノ瀬さん美味しそうに食べるので」
「…ありがとう」
「では、また明日学校で」
「うん。瀧くん気をつけてね」
「ありがとうございます」
小さくなっていく背中を見つめる。
『ここ、チョコついてます』ーーー。
ボッ
「暑い暑いなにこれ。」
なに思い出してるの。
火照る頬を冷え性の自分の手で押さえて冷ます。