【完】君しか見えない
童話から飛び出してきたかのような、私の王子様。
……ねぇ、楓くん。
この気持ちを打ち明けたら、楓くんはどう思うのかな。
今はまだ言えそうにもないけど、いつか言える日が来るのかな……。
そんな淡い期待を抱いていた。
──中学2年生までは。
中2になり、私がお父さんの仕事の都合で急遽引っ越すことになり、離れ離れになってしまった。
ちゃんとお別れすることができず、お互いケータイも持っていなかったから、それから連絡を取れていなくて。
そして、あれから3年。
今日、私は彼に会うため、このバス停へとやってきた。