【完】君しか見えない


楓くんの隣に腰かけ、また湧いてきた疑問をぶつける。



「前に付き合ってたって、楓くん、何人くらいの女の人と付き合ってたの?」



思い切って尋ねてみると、楓くんが右目をすがめて、じろりと嫌そうにこっちを見た。



「それ、答えなきゃいけねーの?」



「う、ん」



正直言えば、聞きたい気持ちと、聞きたくない気持ちとは半々だ。



好きな人のそういう話は聞きたくないと思う反面、やっぱり楓くんのことはできる限りでいいから知っていたくて。



すると楓くんは顎をくいと上げ、宙を見つめながら、なんてことなしって感じに答えた。



「ちゃんとは数えたことねーけど、30人くらい?」



さ、さんじゅう人!?



予想を遥かに超えていくその人数に、思わず目を瞠る。

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