【完】君しか見えない
「……って、ごめん。
こんな話、興味ないよね」
「うん、興味ねー」
そこまで無表情で即答されると、興味ないことはわかってはいても、さすがに傷つくよ楓くん……。
体を起こして正面を向き、楓くんがつぶやいた。
「事細かにそんな話される俺の身にもなれよ」
「は、はい……」
そこで会話が途切れ、白熱灯のぼんやりとした灯りの下、静まり返る待合所。
なにか話そうと思うんだけど、話が弾むような話題が思いつかない。
昔は、なにを毎日話してたんだっけ。
飽きることなく、そして絶え間なく、楓くんといろいろなことを話してた。
でも、空気感は変わらないように思う。
楓くんが隣にいてくれるだけで、こんなにも安心するんだなぁ……。