【完】君しか見えない
考えてるうちに、急激に眠気が襲ってきた。
ここ最近ずっと、いろんなことがあって精神的に張り詰めていたせいだろうか。
「ごめん、ちょっと眠くなってきたかも……」
「ん? 少し寝れば?」
「そうするね……」
楓くんの声を聞けば、隣にいてくれることを改めて実感して。
ホッとする気持ちに比例するように、徐々に瞼が落ちてくる。
楓くん、楓くん……。
目を閉じても、脳裏に浮かぶのは、やっぱり君ばかり。
「楓くん……も、キス、したりするよね……。
でも、それは……やだな……」
ほとんど意識がなくなっていく中、ずっと抑え込んでいた思いが口をついて出ていた。
次の瞬間には、強い睡魔に引きずり込まれ、壁にもたれたまま完全に意識を手放した。