【完】君しか見えない


じっとまっすぐにこちらを見つめる視線に、ドキドキと鼓動が早まる。



綺麗な顔が目の前にあって、緊張しないはずがない。


どんな強心臓の持ち主でも、このシチュエーションはきっと耐えられないと思う。



顔、赤くなってないかな……。


ううん、絶対真っ赤になってる。



それでも目を逸らせないのは、楓くんの瞳に囚われてしまったから。



不意に楓くんがなにかを言おうとしたのか、口を開きかけた。


と、その時、動きを遮るかのように、♪ピロロンとスマホの着信音が鳴り響いた。



それは楓くんのスマホだったらしく、手が頬から離れると、私はすかさず息を大きく吸い込む。

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