【完】君しか見えない





中学生の頃発見した秘密の侵入口から、校舎へ潜り込む。



どこもかしこも懐かしい校舎の中で私が足を止めたのは、教室の前。



『1-5』のプレートが、壁に立てつけてある。



私と楓くんが同じ時間を過ごした教室だ。



教室に足を踏み入れれば、懐かしい光景が目の前に広がった。



「あ、私の席だ!」



窓際の自分の席を見つけ、心を弾ませながら駆け寄って座ってみる。



「懐かしい〜!
新学期すぐの席替えで、楓くんと前後になったんだよね」



大園と三好だから、クラス替えしてすぐは席が離れてしまうのだけれど、席替えすると90パーセント近くの席になる私たち。



机に座って懐かしんでいると、楓くんも私の前の席に座った。

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