【完】君しか見えない


「よく授業中にさ、先生の目を盗んでメッセージのやり取りしてたよね」



「あー、してた」



ルーズリーフの端っこにメッセージを書いて、先生に見つからないようにやり取りしてた。



放課後どこで遊ぼっか、とか、今日の夕飯なんだと思う?とか、そんなくだらない話題ばっかりだったけど、楽しくて。



「この席から、よく楓くんが中庭に呼び出されて告白されてるの見てたなぁ」



窓の外に視線をやりながらそう呟くと、楓くんが振り返り体をこちらに向けた。



「へ〜、中学の頃から覗き魔だったんだ」



「違うよ、楓くんがモテモテなのが悪いんですー!」



まったく、人の気も知らないで。


そんな光景を見ては、いつもモヤモヤしてたんだから。

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