【完】君しか見えない
ショッピング街に足を踏み入れると、私たちのまわりに、人が徐々に増えて来た。
みんな点灯式に向かっているのだろう。
カップルや家族連れがちらほら目につく。
このショッピング街を抜けたところで、点灯式は行われる。
目的地までは、あと少しだ。
通りすがりのアンティークショップの入り口に掛けてあった時計にちらっと目をやり、それから空を見上げた。
このままいけば、多分大丈夫だよね……?
しこりのように残る不安を拭うように夜空を見つめる。
と、その時だった。
「あれ、楓くん?
きゃー!こんなとこで会えるなんて……!」
どこからともなく女の子の声が聞こえてきたかと思うと、前方からひとりの女の子がこちらへ向かって駆けてきた。