円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
「トーマスいるんだろう?開けるぞ?」

何の反応もない。

ウィリアムは、もう一度ノックをして
返事がないのを確認すると、
蹴破るようにドアを開けた。

案の定、トーマスが若いメイドを
壁に追いやり、
いかがわしいことをしようと
しているのが目に飛び込んで来た。

「やあ、ブラッドリ―卿。
こんなところまで、なんの用だ?」

トーマスが顔をウィリアムの方に向けた。

そこまでは、冷静に対処できた。

見境なくメイドに手を出すなと、
ストレートに声に出すのを
押しとどめ、トーマスが
メイドから体を離すのを待った。

でも、それは、ウィリアムが
メイドの顔を見るまでだった。

トーマスが一歩退いたので、
相手の女の顔が見えた。
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