円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~

ウィリアムは、
もう我慢の限界とばかりに
首をぶるっと振った。

「ルーカス、
後でアリスを私の部屋に呼びなさい」

「かしこまりました」

エリノアは、間違いを正さなければと、
怖い形相で、
睨みつける従兄に向かって言う。

「ウィリアム、どうして
ルーカスやアリスを責めるの?
二人とも私のやる事に反対したわ」

「あんたは、何にもわかってない。
本当に分かってないな」

「失礼ね。今のあなたより、
トーマスさんの方がよっぽど紳士的だわ。
私は、一人の人間よ。
あなたに、あれこれ指図される
筋合いはないわ」

ウィリアムは怒りを通り越して
どうかなってしまったのか、
不気味なほど冷たい顔をして言い放った。

「エリノア、君は今、
自分が置かれている立場を
忘れているみたいだね。

いつまで、
レディとして振る舞ってるんだ?
君は、今、レディメアリー付きの
ただのメイドだ」


「そうよ。それがどうかしたの?」

「エリノア?私の名前を知っているね?」

「ええ、もちろんブラッドリー卿。
子供のころからよく存じ上げてますわ」

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