円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
「私の方は、君のようなメイド
など見たこともない」

「何を言ってるの?」

「私のような立場なら、
君のような立場の女を、
どのようにも扱える。

一晩、君をベッドで好きなようにして、
身ぐるみ剥がして、
屋敷から追い出しても、
わずかなお金を渡せば、
君に対しては、謝罪もいらない」

ウィリアムは、すっと屈んで、
エリノアを軽々と抱き上げた。

「ちょ、ちょっと、
ウィリアム何するの!降ろしてったら」

「ルーカス、何してる。早く行け」

「はい。旦那様」
と返事をしたものの、
ルーカスはこの場を離れるのに躊躇した。

彼がウィリアムについてから、
こんなに感情的になった彼を
見たことがなかった。

エリノアが抵抗を続ける。

「自分で歩けるって、
離して言ってるでしょう?離して」

「ルーカス!待って。置いて行かないで」

ルーカスは、立ち止まった。


「はい。エリノア様」

「ルーカス、行け」

「ですが……」

「大丈夫だ。こいつにたっぷり、
お仕置きしてやるだけだ」


「お仕置きですって!冗談じゃないわ。
私は小さな子供じゃないのよ」

エリノアが体をくねらせて抵抗する。

「いい加減にしろ!」

怒号を含んだウィリアムの声に、
エリノアはしびれたように
体が動けなくなってしまった。

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