円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
力強い腕。意志の強そうな眉。
しっかりとした考えを持っていて、
正しいと思ったら信念を変えない。
ウィリアムは、しっかりとエリノアを
抱き上げで階段を上っていく。
侯爵家の若様が、メイドを腕に抱いて
階段を上がっていくのだ。
好奇の目で見られるのは当然だ。
ブラッドリー卿は、途中で誰かと
すれ違っても無視して通り過ぎた。
「ウィリアム、ねえ、
こんなの目立ちすぎるわ。
私、あなたが言うところに、
どこへでも行くから。お願い、歩かせて」
「ダメだ。このまま腕の中にいろ」
彼の中は、猛烈な所有欲と支配力に
かられていて、もう、一秒でも
この腕から放したくないのだ。
他の男の腕の中に、
エリノアが収まっていた時に、
ウィリアムには、
今まで味わったことのない、
強烈な感情が沸き起こっていた。
あのままルーカスが止めなければ、
あのアメリカ人を
殴り殺しているかもしれなかった。