円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
おかしい。おかしいに決まってる。

ウィリアムは、心の中で反芻した。

こんなに感情をコントロールできない
なんてあり得ないことだ。

今だって、人にどう見られようと、
何を言われようと、エリノアのことを
この腕から放したくないと思ってる。

ウイリアムは、エリノアを部屋の中に
入れると、後ろ手で鍵をかけた。

エリノアとは、じっくり向きあわなければならなかった。

誰にも邪魔されたくなかった。

鳥かごのような部屋に閉じ込めても、
エリノアは、ヤマネコのように
挑発的な目をしていた。

エリノアは、
沸騰しそうなほど怒ってる、
屈強な兵士のような男を前にしても、
一歩もひるまない。


今にも爪を立てて、
向かってきそうな目で、
ウィリアムを睨みつける。

ウィリアムは、彼女をここに連れて来た
本来の意味を思い出した。


「そんな顔をしても無駄だ。
お仕置きしてやる」

「ウィリアム、
私を子ども扱いするのはやめて」

「子供が嫌だったら、
女として扱ってやる」

あくまでもお仕置きだ。


無防備に男に近づけば、
どういう痛い目に合うのか
教えてやらねばならない。

< 108 / 195 >

この作品をシェア

pagetop