零度の華 Ⅰ
「何故、今まで言わなかった」
『言ったでしょ?眠ってたって。言うことなんてできないし、あの子は二重人格って事を言わない。絶対に』
「ねぇ、名前は何?」
数秒流れた沈黙後、愛川に尋ねられるも用意してなかったから答えることなんて一つだ
『あたしに名前はない』
「じゃあ、私達で考えてあげない?」
唐突過ぎてついていけないのは、光華も一緒のようだ
「どうしたんだ?」
「私、この子のこと信じるよ。だから仲直りの印でさ、名前をつけてあげようよ」
こいつはただの馬鹿か?
確かに信じさせようとしたのはこのあたしだが、どうして名前の話になったのか
愛川の考えはよく分からない
天然な奴とは付き合えきれないな
それに、昨日の事をこんなにも簡単に許すというのか……
本当に、理解が出来ないな