零度の華 Ⅰ
『考え事って、そんなに重要なことなの?』
「桜ちゃん?」
『うん。今変わったの。あ、あたしのこと呼び捨てでいいよ』
「じゃー、サクラって呼ぶね」
明るくなる愛川に対してあたしの中ではドロドロと黒いものが這っている
『話が変わったね。戻すけど何を考えてたの?あたし達は力になれない?』
「気持ちは嬉しいけど、もう大丈夫だよ。気を遣わせてごめんね」
聞いたあたしにではなく、愛川に向けられた虎山の笑顔に大丈夫という言葉は合っていない
これじゃ、静かなままで終わりそうだ
仕方なく話題を変える
『そういえば、昨日あたしの彼氏の話を聞くって言ってたよね』
「あ、うん。でも......ここではやめた方がいいと思う」